産後に性欲がない、そのことで夫婦関係がこじれてしまって悩んでいる人は非常に多いです。
ママの立場からいうと「赤ちゃんのお世話で疲れているのに、それどころじゃない!」となります。
一方で旦那の立場からいうと「妊娠中ずっと我慢していたのに、何でわかってくれないの?」となるんです。
どちらの気持ちもわかるので、この産後の性欲がないという問題は難しいんですよね。
でも産後に性欲がないのは、実はホルモンなどもっと複雑な理由があったのです。
そこで今回は産後に性欲がない、そのことで夫婦関係をこじらせてしまう6つの理由についてご紹介します。
産後に性欲がない6つの理由とは?
産後に性欲が落ちてセックスが全くないと、夫婦ともに愛が冷めたのでは?と感じてしまいます。
しかし産後に性欲がないのは、実は気持ちの問題ではなくホルモンなどが関係しているのです。
また肉体的な疲れや精神的なダメージも、原因のひとつとなっているんですね。
では産後に性欲がない6つの理由について、詳しく見ていきましょう。
子育てで分泌するホルモン
赤ちゃんの子育てをしていると分泌されるのが「オキシトシン」というホルモンです。
オキシトシンは幸福感を得た時に分泌されるのが特徴で、実は赤ちゃんを出産する前は夫婦の触れ合いによって分泌されていました。
そのため出産前は心を満たしてほしいときに、性欲も自然と上がってきていたのですね。
しかし産後に授乳をしているときや赤ちゃんに触れているとき、オキシトシンがどんどん分泌します。
そのため、わざわざ夫に心を満たしてもらう必要がなくなってしまっているんです。
オキシトシンは十分足りているから、特にセックスは必要ない!と脳が感じてしまっているのですね。
授乳中に分泌するホルモン
産後に母乳がどんどん作られていくのは「プロラクチン」というホルモンによるものです。
プロラクチンが分泌するおかげで、赤ちゃんが成長するために必要な母乳が出てきて育児がスムーズにおこなえるんですね。
しかし授乳中は性欲が減退するか、ほぼないという人は多いのです。
その理由はプロラクチンの作用で性欲が減退してしまうからで、さらに排卵を抑えて生理を起こさせない働きもあります。
また授乳中は胸の痛みがあることが多く、勝手に母乳が出てきてしまうこともあるんですよね。
正直なところ、夫に付き合っている余裕がないというのも妻の気持ちとして大きいでしょう。
しかしこのプロラクチンによる性欲減退も、卒乳や断乳するなどして授乳がなくなれば自然と元に戻るので安心してくださいね。
忙しい育児で寝不足のため
赤ちゃんが産まれると育児は24時間ずっと続くので、家事もこなす中寝不足に陥ってしまうママはとても多いです。
赤ちゃんがなんとか夜に寝てくれて、やっと自分も眠れる…と目を閉じた時に誘ってこられると嫌悪感を抱いてしまうもの。
赤ちゃんが夜中ずっと寝てくれるようになるまでは、2年ほどかかる場合もあります。
ホルモンの問題が解決した後の産後性欲がない理由は、だいたいこの寝不足で疲れているというのが当てはまるのです。
特に1人目の育児の場合はより疲れがたまってしまうので、2人目以降よりも産後の性欲がない期間が長くなる傾向にあります。
産後の体型を見られたくない
妊娠中に体重が激増してしまい、産後まで体型の変化が続いている人も多いのではないでしょうか。
妊娠する前に履けていたパンツが入らなかったり、サイズアップしてしまったりショックを受けてしまいますよね。
そんな体型の変化から、夫に見られたくないと感じる人が多いのです。
「気にしていない」と言われても、自分自身が気にしていれば嫌なものは嫌なんですよね。
妊娠中に増えた体重は、個人差がありますがだいたい産後1年を目安に戻ってきます。
でも中には年齢的な問題や、食生活やストレスなどで全く体重が戻らない場合もあります。
このような時は体型のコンプレックスが大きくなるので、性欲がない期間が長いのです。
赤ちゃんが気になってしまう
日本の家庭では、おそらくほとんどが添い寝かベビーベッドを夫婦の寝室に置いているのではないでしょうか。
しかし赤ちゃんが側にいると思うと、やはり夫婦の触れ合いも集中できないですよね。
赤ちゃんが物音で起きないか、その方が気になってしまって性欲どころではないのです。
欧米では早いうちから赤ちゃんのみを自分の部屋に寝かせて、夫婦だけの寝室を守るのが人気なのだそう。
赤ちゃんが別室で寝ることで、夫婦生活の妨げにならないメリットがあるのです。
これは日本の場合は幼児期を過ぎるまでずっと続く問題なので、産後に性欲がないというのもうなずけますね。
痛みを感じやすくなっている
産後しばらくは多くのお母さんが、出産時の会陰切開の傷や痔などのトラブルを抱えることになります。
中には出産の時に傷ついた箇所が気になって、とっくに傷は治っているのに痛みを感じやすくなっていることもあるのです。
痛みの恐怖から産後に性欲が全くない状態となってしまう人は、実は結構多いんですね。
こうした心理的な部分で痛みを感じやすくなっているのは、なかなか夫にはわかってもらえない現実があります。
また肉体的ではなく精神的な問題なので、痛みを感じなくなるまで時間がかかるという点も問題です。
それくらい出産というのは満身創痍で、女性にとって大きな経験ということになります。
産後の性欲がない状態はいつまで続く?
産後に性欲がない状態は、どのくらい続くのか気になりますよね。
このままずっと続くようでは、夫婦の関係に亀裂が入ってしまうこともあります。
そんな時にだいたいいつまで性欲がないのが続くのかわかれば、産後に夫婦で話し合うこともできるでしょう。
では産後の性欲がない時期から抜け出す、具体的な目安を見ていきましょう。
…赤ちゃんが卒乳をするまで
母乳による授乳を続けている限りは、性欲を抑えるホルモン「プロラクチン」が分泌されます。
また授乳による赤ちゃんとのふれあいで、幸せホルモンの「オキシトシン」も増えます。
そのため赤ちゃんが卒乳あるいは断乳をするまでは、産後の性欲がない状態が続くと考えられるでしょう。
多くの人は産後1年ほどで断乳をしますが、卒乳となると2年くらいは授乳が続くことになります。
そのためホルモンが原因で産後の性欲がない状態になっている期間は、1〜2年です。
睡眠時間が取れるようになるまで
産後しばらく赤ちゃんは夜中に何度か目を覚ましてしまい、そのたびに授乳をするので睡眠時間が少なくなりがちです。
睡眠時間が減ると体調が優れなかったり、子育て以外に意欲が湧かなかったりしますよね。
まとまった睡眠時間が取れるようになるのは、産後2〜3年ほどとなります。
それまでは疲れなどが蓄積しやすい状態にあるので、よほど体力がない限り性欲が復活することは少ないでしょう。
睡眠が取れるようになれば、だんだん性欲も元の状態に戻っていくので安心してくださいね。
痛みや恐怖が無くなるまで
出産の時に負った傷は時間が経てば表面上は治りますが、恐怖心などはなかなか拭い去れません。
特に産後会陰切開の傷がひどく痛んだ人ほど、トラウマになってしまっているのではないでしょうか。
スムーズな出産だった人であれば産後2ヶ月くらいで性欲が戻ってくる人もいます。
しかし精神的なものが原因で性欲が減退している場合は、トラウマが克服できるまでは焦らない方が良いでしょう。
このケースでは産後1〜2年ほどで、だんだんと恐怖心がほぐれてくることが多いようです。
情報過多な現代でも、なかなか人の気持ちまでは気づけないことが多いですよね。
夫婦の話し合いと夫のケアが重要なので、まずは妻の体と心を第一に考えるようにしてください。
まとめ
産後に性欲がない、そのことで夫婦関係をこじらせてしまう6つの理由についてご紹介してきました。
産後に性欲がないことで夫婦の関係が悪くなってしまうケースは多いのですが、実は気持ちの面以外での原因が隠されていたのです。
産後のホルモンが原因だったり子育てに考えが集中してしまったり、睡眠不足で疲れが溜まっているなどさまざまな理由があります。
産後の性欲がない状態は個人差がありますが、一般的には1〜3年程度だと考えられるでしょう。
無理をするのではなくありのままの考えを受け入れて、お互いに気持ちの良い関係を築きたいですね。