産後といえばたくさんの不快な症状が出やすい時期ですが、特に痛みも伴って辛いのが膀胱炎です。
男女比べても女性に圧倒的に多く、特に分娩時に負担がかかったりトイレに行きづらかったりしてかかりやすい傾向にあります。
では膀胱炎は、具体的にどのような症状があるのでしょうか。
今回は産後の膀胱炎の5つの症状と、対処法についてご紹介します。
産後になりやすい膀胱炎5つの症状
分娩を機になる人が多い膀胱炎ですが、主に5つの不快な症状が現れることが知られています。
いつもと違う痛みや不快感が現れた場合は、膀胱炎がひどくならないように注意する必要があるのです。
普段何でもないと思っていた症状が、実は炎症を起こしている可能性もあるので油断しないようにしましょう。
それでは、さっそく膀胱炎の症状をみていきましょう。
何度もトイレに行きたくなる
さっきトイレに行ったばかりなのにまたトイレに行きたくなるという状態は、膀胱炎になりかかっている可能性があります。
頻尿は細菌感染などを引き起こして炎症が起き、尿が十分ためられなくなるために起こるのです。
赤ちゃんのお世話で忙しい中、何度もトイレに行かなければならないため、ストレスも感じやすくなります。
もし普段よりも明らかにトイレの回数が増えていたら、なんらかの異常が出ている可能性があります。
いつもトイレの回数を控えておくと、変化がわかるのでカレンダーにでも「正」の字で書いておくと良いですね。
赤ちゃんのお世話で忙しい時期ですが、自分の健康にも意識していきましょう。
トイレのたびに痛みがある
中でも一番不快に感じるのが、排尿のたびに痛みがあるという症状です。
ツーンとしみるような痛みがあり、思わず顔を歪めてしまうくらいの痛みが出る場合もあります。
女性は男性に比べて尿道が短く、細菌が繁殖しやすい膣や肛門といった陰部が近いので炎症が起きやすいのです。
こまめに陰部を清潔に保っていないと、細菌が繁殖しやすくなります。
細菌によって尿道に炎症が起きているせいで、尿が通る時に痛みを感じるんですね。
特に排尿の終わりかけで痛みが強くなることが多いので、もしこのような症状が出たら早めに病院に行ったほうが良いでしょう。
出産したら赤ちゃんのお世話で疲れている中にこの不快な痛みの症状が出るのは、なかなかのストレスです。
残尿感があってスッキリしない
トイレに行くのに、いつも全部出切った気がせずムズムズするということはないでしょうか。
これは残尿感といわれるもので、トイレをしてもスッキリできなくなる症状です。
分娩をしたら自力歩行してトイレに行きますが、この時多くの人が「本当に全部出たのかな?」という違和感が出ると思います。
この違和感がトイレのたびに続くことになるので、不快感が非常に大きいです。
無理に出そうとすると今度は痛みが出たり、違和感だけが残ったりとスッキリしません。
いつもトイレのたびに重たい不快さがあって残尿感が取れないという人は、炎症を起こしている可能性が高いです。
毎回おしっこが白く濁っている
トイレのあと、自分の出したおしっこを確認する人はどのくらいいるでしょうか。
産後はいろんなことに余裕がないのでつい確認せずに流してしまいがちですが、ぜひ一目でいいので確認してみてください。
痛みや残尿感の症状が出ているときは、高い確率で尿が白く濁っていることがあります。
これは炎症を起こして膿が出ているために起こるもので、自覚症状の中ではわかりやすいものです。
普段は透き通ってトイレの底が見えるくらいですが、膀胱炎になると白く濁ってトイレの底が見えないくらいになります。
炎症のサインである濁った尿を見かけたら、早めに対策をしておきたいですね。
尿に少し血が混じっている
産後で忙しくて長く放置していると、ひどくなって尿に少し血が混じる可能性があるのです。
いつもよりもオレンジ色が濃かったり、血のような鮮血が混じっていたりするのでよく見ると判断できます。
膀胱炎でもなる可能性はありますが、そのほかのもっと重い病気でも起こることがあるのです。
そのため血尿が出たかなと思ったら、なるべく早い内に病院に行って医師の診察を受けて薬を飲んだほうが良いでしょう。
産後の膀胱炎がひどくなると出る症状
トイレのたびに痛みなどの不快感があっても、出産したら赤ちゃんを連れてなかなか病院にも出かけられないためについ放置してしまいがちです。
でもひどくなると、さらに悪化して細菌が腎臓まで到達してしまう可能性があります。
腎臓まで細菌感染すると「腎盂腎炎」と呼ばれる病気になって高熱や嘔吐、背中の痛みなどが現れます。
関連して起こる腎盂腎炎での高熱はかなり高く、救急搬送者も少なくありません。
腎盂腎炎になると多くの場合入院しなければならなくなるので、産後でそんなことになったら大変です。
膀胱炎は再発しやすかったり、悪化しやすかったりと出産に関連する病気の中では厄介なものなんですね。
ひどくなる前に育児中で忙しくても自分の体調を整えて生活し、おかしいと思ったらすぐに病院に行って検査すると良いでしょう。
産後に膀胱炎になった時の対処法
気をつけてはいたけれど、産後に膀胱炎になってしまって困っているという人も多いと思います。
痛みを伴いながら赤ちゃんのお世話をするのは、かなり大変ですよね。
そのためにも実際になってしまったら、適切な対処方法を実践して早めに治療していきましょう。
悪化しないよう、なるべく早く治すことに集中して、産後の体をいたわりたいですね。
では自分で行うことが出来る、辛い症状を抑える対処法についてみていきましょう。
水分補給をしっかりおこなう
細菌は膀胱に溜まっているため、とにかく水分をたくさんとって流してしまうのがおすすめです。
冷えが原因となっていることも多いので、飲み物はできるだけ常温や温かいものを摂取します。
普段よりも多めに水分を摂ることで自然とトイレの回数も増えて、どんどん細菌が流されていくんですね。
最初はトイレのたびに痛むし不快かもしれませんが、ここは少し我慢をして悪いものを流してしまいましょう。
利尿作用のあるお茶系がおすすめで、特に緑茶は茶カテキンによる殺菌作用もあるので対策には適しています。
忙しくてもトイレを我慢しない
赤ちゃんのお世話が忙しすぎて、なかなかトイレに行くタイミングを逃してしまう人が多いです。
でもここでトイレに行かなければますます悪化しやすくなるので、トイレに行きたいと思ったら2〜3分は赤ちゃんを置いてトイレに行きましょう。
たとえ泣いていたとしても、ほんの2〜3分なら放って置いても大丈夫です。
それよりもトイレに行かずに悪化して入院になった方が、赤ちゃんにとってもママにとっても辛くなります。
忙しくても産後は特にトイレを我慢しないように心がけるだけで、早く治って予防にもなるのです。
まとめ
産後の膀胱炎の5つの症状と、対処法についてご紹介してきました。
妊娠中や産後に多い膀胱炎はトイレの回数が増えたり痛みがあったり、とにかく不快に感じる症状が多いのが特徴です。
また白く濁っていたり血尿が出たりと、ひと目でわかる症状もあります。
そこで自分でもすぐにできる対処法は、水分補給をしたりトイレを我慢せずに行ったりと基本的なことばかりです。
産後は赤ちゃんのお世話で、忙しさから自分のことは後回しになりがちですよね。
悪化させないためにも、普段から自身の健康を意識していきましょう。