産後に起こりやすい乳腺炎は、症状が出る前にかからないように予防することが大切です。
しかし赤ちゃんのお世話で忙しい中で予防をするといっても、具体的にどのようなことをすれば良いのかわからないママも多いのではないでしょうか。
自宅にいながら気軽にお金をかけずにできる方法が、マッサージです。
産後の乳腺炎を予防するには赤ちゃんが吸いやすく、さらにたくさん母乳が出る状態にする必要があります。
とはいっても、マッサージの仕方が分からないという人も少なくはないはず。
そこで今回は産後の乳腺炎を防ぐ2種類のマッサージについて、セルフケアのやり方をご紹介していきます。
産後の乳腺炎を防ぐマッサージは2種類ある
産後の乳腺炎を防ぐマッサージは、主に2種類あります。
乳首を赤ちゃんが加えやすいように整えるものと、母乳自体を出やすくするものです。
どちらかが欠けてしまうと、授乳がしにくくなっておっぱいが痛くなる原因になるんですね。
ではそれぞれ具体的にどのようなケア方法なのか、説明していきましょう。
乳首を咥えやすくするケア
赤ちゃんは乳首を咥えて母乳を飲みますが、最初は慣れないと痛みがでやすいものです。
授乳に慣れていない場合は乳首がまだ硬く、赤ちゃんが吸おうとしても吸いづらい状態にあります。
しかし乳首マッサージをすることで、赤ちゃんが咥えた時に柔らかさを出して口に含みやすくなるのです。
またママも赤ちゃんに吸われた時の痛みを感じにくくなり、授乳を苦痛なくできるようになります。
結果的に頻回授乳が可能になり、乳腺炎のリスクが低くなるのです。
乳首のケアは出産する前からしておくことで、より授乳時の苦痛が少なくなります。
ただし出産の直前である正期産に入ってからなどと病院から指示されることも多いので、医師の許可をもらってからケアをしましょう。
母乳を出しやすくするケア
赤ちゃんが吸いやすい乳首を作っても、やはりおっぱいが出なければあまり意味はありません。
そこで乳首ケアと同時進行で、おっぱいケアもしていきましょう。
おっぱいケアをすることで血行を促進するため、母乳の通り道である乳管の流れが良くなります。
おっぱいが滞りなく分泌された後出されるので、詰まりが発生しにくくなって症状を予防できるのです。
おっぱいケアも産後からではなく、出産前からおこなうことができます。
乳首ケアと同じくおっぱいもマッサージできる期間が決まっていて、主に妊娠後期からとなっています。
産後乳腺炎を防ぐマッサージの準備
産後の乳腺炎の中でも細菌感染によるものには効果がありませんが、おっぱいが詰まって起こるものに関してはマッサージが有効です。
実際におこなう前にきちんと準備をしておくことで、より良い効果が期待できます。
では具体的にどのような準備が適しているのか、詳しくみていきましょう。
お風呂で体を温めてから始める
おっぱいは血液からできているため、お風呂に入って血行が良くなると詰まりを解消する効果がアップします。
体の温め過ぎは痛みが悪化するため良くありませんが、適度に温めると詰まりが解消しやすくなるのです。
また乳首の先に付着したカスも取りやすくなるので、ぜひ先にお風呂にサッと入っておきましょう。
オイルなどで滑りをよくする
マッサージをするとき、素手でそのままおこなっても問題はありません。
しかしこの時オイルなどを使って滑りを良くしておくと、よりなめらかにおこなえます。
乳首などはデリケートな場所で傷つきやすいので、オイルはかなり役に立ちます。
オイルやボディクリームなどを使い、肌に刺激が起こりやすいものは避けましょう。
赤ちゃんが口に入れても大丈夫な成分でできたバスト用クリームが特におすすめなので、用意しておきたいですね。
肌に優しく滑りも良くなるので、より詰まりを流しやすくなります。
傷つけやすいため爪は短く切る
バストに手を当てるときに爪が長いと、肌を傷つけてしまうことがあります。
産後は抵抗力が落ちやすく、少しの傷口から細菌感染を起こしやすいです。
詰まりが原因ではない乳腺炎は高熱を伴って非常に辛いので、爪で傷つけないよう注意しましょう。
赤ちゃんの肌も傷つけやすいので、産後はこまめに爪を切っておくのが良いですね。
産後乳腺炎を防ぐ乳首マッサージのやり方
乳首を柔らかくして赤ちゃんが咥えやすい、授乳に適した状態にしていきましょう。
やり方は片方の手で乳房を支えながら、もう片方の手の親指、人差し指と中指で乳首をつまんでください。
痛みを感じない程度に強めに乳首を圧迫していき、3〜5秒程度つまんでいきます。
硬い部分をほぐすようにリズムをつけながら圧迫して、指を綿棒のようにして乳首を伸ばしていきましょう。
最初に痛みを感じやすい場合は、少しずつ力を加えて刺激に慣らすようにしてくださいね。
さまざまな角度から乳首を圧迫して、柔らかく伸びを良くしていきましょう。
産後乳腺炎を防ぐ母乳マッサージのやり方
乳首が柔らかくなったら、今度は赤ちゃんが飲む十分な量の母乳が出るようにマッサージしましょう。
まずマッサージをする方向のバスト側の手で傍から持ち上げるようにして、もう片方の手で押し流すように当てていきます。
上下左右の4方向から詰まりを押し流していくように圧迫しながら動かして、4〜5回繰り返していってください。
ひどい痛みを感じたら無理におこなわず、その場合は病院で診察をしてもらうなど適切な判断をしましょう。
熱がある場合やとても痛い、おっぱいが腫れている時などはセルフケアは適さないことが多いです。
重症なときは自分でなんとかしようと考えず、病院や助産院に相談する等して助けを借りることも大事です。
産後の乳腺炎を防ぐマッサージは母乳外来も!
セルフケアでなかなかうまくいかない、詰まりが取れずに痛みがあるなどの状態であればプロの手をお借りしましょう。
出産した病院や母乳外来、助産院などでは母乳育児がうまくいくようにサポートしてくれます。
絶妙なバランスでしこりを取ってくれたり、食生活についてのアドバイスをくれたり産後ママにはありがたい存在です。
桶谷式の助産院などでは痛みを感じにくいと評判なので、近くにあるときは調べて足を運んでみてはいかがでしょうか。
費用は場所によってさまざまで、3,000〜7,000円くらいというところが多いでしょう。
助産師による母乳ケアは何度か通わなければならないことが多いので、できるだけお財布に優しい場所を選びたいですよね。
事前にホームページなどの記事で情報をチェックして、会計時に慌てないようにしましょう。
まとめ
産後の乳腺炎を防ぐ2種類のマッサージについて、セルフケアのやり方をご紹介してきました。
辛い痛みを抑えるための方法として、乳首ケアと母乳ケアの2種類があります。
乳首を柔らかくして赤ちゃんが飲みやすくして、母乳が良く出るおっぱいにしていくのですね。
乳首は指でつまむようにマッサージをして、バストは包むようにしこりを押し流していきます。
うまくいかないときは母乳外来に相談して、助産師から適切なケアを受けましょう。
乳腺炎は重症化するとマッサージでは治らなくなり、ひどくなると手術が必要になることもあります。
ひどくならないように、早めに行動して対処していきたいですね。
もし、ひどくなってきた場合は医師の診察を受ける等して早めの対応を心がけることも重要です。