産後の悩み事の中でも、多くの人が挙げているのが抜け毛です。

朝のブラッシングで大量に抜け、夜はシャンプーでさらに大量に抜け…という経験をしたことはないでしょうか。

昼間は知らない間に抜けた毛が、フローリングに散らばって積もっているのは日常茶飯事です。

しかしそもそも産後の抜け毛の原因って、何なのでしょうか?

出産する前と後で何が違っているのでしょうか?

産後の抜け毛の原因を知ることで、対策ができるかもしれないですよね。

また多くの人が知りたい、産後の抜け毛はいつから始まっていつまで続くのかも気になるところです。

そこで今回は産後の抜け毛の原因を4つと、いつからいつまで続くのかを詳しくご紹介していきます。

産後の抜け毛が止まらない原因は4つある

産後の原因4つ

そもそも妊娠中は毛を蓄えているくらい多毛気味になるのに、何故出産を終えた途端に抜け毛が増えるのでしょうか?

産後の抜け毛が止まらない、そんな時に考えられる原因は主に4つあります。

どれも産後ならではの原因が潜んでいるので、抜け毛のメカニズムとともに見ていきましょう。

ホルモンバランスが崩れるため

ホルモンバランスが崩れる

産後に髪の毛が抜けやすい原因の多くは、女性ホルモン「エストロゲン」と「プロゲステロン」の2種類にあります。

このふたつのホルモンは妊娠中大量に分泌され、妊娠を継続して出産へと導いていくのです。

妊娠中は特にプロゲステロンが多く増えますが、このホルモンには発毛を促して抜け毛を予防する働きがあります。

妊娠中は体毛が増えたと感じる人が多いのは、このプロゲステロンの作用が原因だったのですね。

ところが出産をすると、妊娠中増えていた女性ホルモンが一気にほぼゼロというところまで減少します。

妊娠中のホルモンの作用で成長を続けていた髪の毛が、産後一気に抜け落ちてしまうのです。

妊娠中から産後しばらくまではホルモンのバランスが著しく変化するので、抜け毛などの症状に悩まされる人が多いんですね。

睡眠不足や疲れによるストレス

ストレス

赤ちゃんが産まれたら、ママはのんびり睡眠をとることや休むことがなかなかできなくなります。

また慣れない育児が重なると、睡眠不足や疲れによるストレスが抜け毛を起こす原因となるのです。

中には睡眠時間がまとめて2時間以上取れなかったり、体調が悪くても薬が飲めなかったり辛い思いをしているママもいますよね。

ストレスが原因の産後の抜け毛も、あまり注目はされていませんがホルモンバランスと同じくらい多いのではないでしょうか。

また産後しばらくは満足に眠れない日が続き、体をゆっくり休めることが困難になります。

これに抜け毛が重なると、よりストレスを感じてしまうこともあるんですね。

母乳育児で栄養がとられるため

母乳

母乳育児をしているママの場合は、赤ちゃんに与える母乳に優先的に栄養が運ばれるために栄養不足になっている可能性があります。

ただ母乳育児と産後の抜け毛の因果関係はまだ100%解明されておらず、直接的な原因かどうかわからない部分もあるのです。

しかし健康な髪の毛を作り出すのは食べ物からの栄養なので、母乳を優先させていると髪の毛まで栄養が届かないということも考えられます。

質の良い母乳を出すためには栄養バランスの考えられた食事が大切ですが、子育てに忙しいママはそこまで丁寧に食事を作れないことも結構ありますよね。

菓子パンのみなどの食事が続いてしまうと、髪の毛まで栄養が行かずに産後の抜け毛を悪化させる原因になることもあるのです。

産後の抜け毛の全てが母乳育児による原因とは考えにくいですが、何かしらの関係はありそうですよね。

だからといって、授乳を休止するのは赤ちゃんのためにも止めてくださいね。

産後ダイエットをおこなったため

ダイエット

芸能人などが出産後すぐに体重を元に戻して、スリムな体をSNSなどにアップしているのをよく見かけます。

それに影響を受けて、産後すぐなのにダイエットをしてしまう人が増えているのです。

産後は、赤ちゃんのために栄養を蓄えておかなければならない大切な時期。

この時期に栄養を制限するダイエットをしてしまうと、髪の毛に栄養がいかなくなって抜け毛が止まらなくなってしまうのです。

また免疫力なども下がっているので、より多くの栄養を取り入れておかないと体調も崩しやすくなります。

産後ダイエットが原因で、抜け毛や思わぬ体調不良に見舞われる人は増えているのですね。

出産してからしばらくは自分のためではなく、赤ちゃんのことを最優先に考えたいところです。

産後の抜け毛に対する予防法とは?

予防

産後の抜け毛の原因がわかれば、予防もしやすくなりますよね。

産後の抜け毛を完全に無くすことは、ホルモンが関係しているので不可能です。

でも日常生活の中で少し意識をしていくだけで、産後の抜け毛を少しでも予防することはできます。

では具体的にどのような予防法を実践すれば良いのか、詳しく見ていきましょう。

髪の毛に良い栄養を摂取する

納豆

健康な髪の毛を維持するためには、食べ物からの栄養を取り入れるのが一番です。

髪の毛を構成するための栄養素はタンパク質、ビタミンB群、そしてミネラルとなります。

タンパク質は1日あたり納豆1パックで十分摂取できるので、忙しいママでもサッと準備できますね。

ビタミンB群はレバーに多く含まれるので、少量食べるようにします。

またアサリや牡蠣などの貝類には亜鉛や鉄分などのミネラルが含まれ、産後の抜け毛だけではなく不足しがちな栄養素を補えるのです。

時間をかけて食事の準備をしなくても摂取できる食べ物から、産後の抜け毛に良いものを選んでいきたいですね。

栄養不足が原因で抜け毛が気になる人は、ぜひ食生活を見直してみてください。

ストレスを溜めないようにする

昼寝

産後のママにとって、ストレスは避けようにも避けられない問題ですよね。

だからといって、子育てをしているときにストレスを全くない状態を維持するというのはほぼ不可能といってもいいくらいです。

そのため、ストレスを「なくす」のではなく「溜めない」ようにするのが大切です。

睡眠は夜に取るものだという概念を捨てて、赤ちゃんが寝たらすぐに自分も休むようにします。

もちろん家事は二の次で、自分と赤ちゃんを一番に考えましょう。

今は便利な時代なので買い物や食事はネットスーパーやコンビニで、洗い物が溜まる場合は紙皿でも良いのです。

ストレスが溜まると産後の抜け毛はひどくなり、さらにストレスがたまる負のスパイラルに陥ってしまいます。

赤ちゃんと自分の健康が一番なので、まずは必要のない他のことを後回しにしてしまいましょう。

普段のヘアケアを工夫する

ヘアケア

普段何気なく使っているヘアケア用品ですが、産後の抜け毛対策のために種類を変えてみるのも良い方法です。

頭皮に優しいタイプだったり自然派で影響のないタイプだったり、産後のママに向けたシャンプーはたくさんあります。

また育毛剤のような髪や頭皮に優しい成分のヘアケア用品を使ってみるのも、抜け毛に良いかもしれないですね。

また産後しばらくはヘアカラーやパーマなどは避けて、髪や頭皮へのダメージを最小限に抑えるのもポイントです。

産後の抜け毛がひどい時は思い切ってロングからショートにしたり、髪を結ったりするのもおすすめです。

掃除もサッとできるように、常にフローリングワイパーなどを準備しておきましょう。

産後の抜け毛はいつからいつまで続く?

いつまで

まだ妊娠中の人は産後の抜け毛の原因の他に、いつからいつまで続くものなのか気になると思います。

実は産後の抜け毛は、出産してすぐに始まるわけではないのです。

ホルモンが減少して髪の毛が抜け落ちるまではタイムラグがあるので、多くの人は産後2〜3ヶ月くらいから抜け毛が始まります。

原因のひとつである睡眠不足や、ストレスの蓄積が気になり出すのもこの辺りからですよね。

そして一番抜け毛が目立つピークは、産後4〜6ヶ月となります。

髪が抜けてから2〜3ヶ月経つと、今度は新たな髪の毛が生えてくる「発毛期」に切り替わるのです。

そのため遅くとも産後1年ほどで、元の髪の毛のボリュームに戻っていきます。

もし1年以上経っても抜け毛がおさまらない、あるいは円形脱毛症などの症状がある場合は病院に相談しにいくと良いでしょう。

まとめ

産後の抜け毛の原因を4つと、いつからいつまで続くのかを詳しくご紹介してきました。

産後の抜け毛の原因は主にホルモンバランスの崩れや睡眠不足などの疲れ、そしてストレスなどが挙げられます。

また意外なところで母乳育児や産後ダイエットも、抜け毛に関わっている可能性があるのです。

産後の抜け毛の原因を根本的に無くすことはできませんが、食生活を見直したりヘアケアを工夫したり予防法はあります。

抜け毛は産後2〜3ヶ月からはじまり、4〜6ヶ月にピークを迎えて1年ほどでおさまってくる人が多いです。

この先ずっと髪の毛が抜け続けることはないので、”抜けた毛は戻る”と自分に言い聞かせて、まずは自分にできるケアからしていきたいですね。