体に重大な影響を与えることはないけれど、さまざまなマイナートラブルの多くなる妊娠期間。
その中でも妊婦の悩みで多いのが、こむら返りです。
足がいきなりつると転倒の危険もあり、日常生活に支障が出ることもあります。
でもなぜ妊娠すると足がつることが増えるのか、理由が知りたいですよね。
また筋肉の痙攣を簡単に予防できる方法はないのでしょうか。
そこで今回の記事では妊婦にこむら返りが増える理由と、今日からできる簡単な予防方法についてご紹介します。
妊婦がこむら返りを起こしやすい時期とは?
妊娠してふくらはぎがつりやすくなる時期は、お腹が大きく目立ってくる7ヶ月〜8ヶ月あたりから出産するまでです。
個人差はありますが、お腹が重たいと感じる頃から悩まされる人が多いようですね。
もちろん妊娠初期でも足がつりやすくなる人はいるので、必ず妊娠後期あたりでつるわけではありません。
1日のうちでは圧倒的に寝ている時に症状が出やすく、せっかく寝付けたと思ったら痛みで慌てて起きるということも珍しくないのです。
またお腹が大きくなってきた時期が冬で温度が低い場合は、特に症状が出やすくなります。
妊婦にこむら返りの症状が増える4つの理由
妊娠中にこむら返り、つまり筋肉の収縮がうまくいかずに固まってしまう状態が起きやすくなる理由は何なのでしょうか。
原因を把握しておくことで、より効果的な対策をおこなえます。
妊娠中に足がつりやすい原因は主に4つあげられるので、詳しくみていきましょう。
血行が悪くなりやすいため
妊娠すると体調を崩しやすく、体も重くなるために運動不足になりやすいです。
体を動かさないと下半身を中心に冷えやすく、血行が悪くなってしまって下肢静脈瘤ができてしまう可能性もあります。
特に妊娠初期からつわりがひどくて寝込んでいた人や、切迫流産や切迫早産で安静指示が出ている人は要注意です。
またお腹が大きくなってくるとふくらはぎの方にいくはずの血液が流れにくくなり、足の筋肉をうまく収縮できなくなるのです。
睡眠中に症状が出やすいのは、昼間に比べて体が冷えやすいからなんですね。
必要な栄養が不足している
お腹の中の赤ちゃんには、ママの摂取した栄養が優先的に胎盤を通して送られます。
特にカルシウム、マグネシウムなどのミネラルは妊娠中不足しやすい傾向にあり、神経伝達がうまくいかなくなりやすいのです。
筋肉を動かすための神経伝達がうまくいかないときに、過剰に筋肉の収縮が起きて痙攣してしまうんですね。
ミネラル以外にもビタミンB群や鉄も足りなくなるので、積極的に摂取する必要があります。
成分を良く確かめた上で、無添加のサプリメントなどを利用するのも良いですね。
骨盤が歪みやすくなっている
妊娠すると、出産に備えて骨盤を開きやすくする「リラキシン」というホルモンが分泌されます。
妊娠中に腰痛になりやすいのは、このリラキシンによる影響なのですね。
さらにお腹が出てくることで姿勢も自然と悪くなりやすく、骨盤が歪みやすい条件が揃っているのです。
姿勢が悪くなると腹筋背筋といった下半身とも繋がる筋肉に悪影響を与えます。
その影響で、筋肉が動かしにくくなってふくらはぎがつりやすくなってしまうんですね。
足に負担がかかりやすいため
臨月にもなると赤ちゃんの体重は3キロ前後になるので、非常にお腹が重たくなります。
それに伴い、妊婦の体重も赤ちゃん分は確実に増えてしまうんですね。
しかしそれだけなら良いものの、妊娠中は食欲を抑えられなかったり運動不足になったりする影響で体重が増えやすいのです。
痩せ型の女性の場合は、標準範囲で最高12キロほど増える場合もあります。
そのため下半身にかかる負担は大きく、下肢静脈瘤などによるむくみや筋肉の痙攣を起こしやすくなるのです。
妊婦のこむら返りを今日から予防する方法
妊娠中こむら返りで毎日悩んでいる人は、予防するために対処を始めようとしている人は多いのではないでしょうか。
しかしマタニティヨガをするにもマタニティ整体に行くにも、病院に行くにもお金がかかります。
また中にはあまり動いてはいけないという、日常生活に制約がある人もいるかもしれません。
大切なのが、今からでもすぐ始められるくらいお金がかからず簡単にできる方法であることです。
そこで今日からでも実践してほしい、足がつりやすい妊婦のための予防や対処方法一覧をご紹介します。
お風呂では毎日湯船に浸かる
血行不良になりやすい妊娠中は、毎日の入浴がこむら返りや下肢静脈瘤予防のカギとなります。
単にお風呂に入るだけではなく、きちんと湯船に浸かることが大切なのです。
湯船に浸からないと全身の血行は良くならず、シャワーだけでは体が冷えやすい体質になってしまうんですね。
具合が悪くて入浴できない場合は、足湯だけでも下半身の血行を促進するのでおすすめです。
またお風呂では転倒しやすいので、体調が悪い日は無理をしないことが鉄則です。
ストレッチを毎日おこなう
お風呂上がりの血行が良くなっているタイミングで、ストレッチをおこなうとより効果的です。
ストレッチは家の中でできるだけでなく、体を無理に動かさなくてもゆったりした動きでおこなうので妊娠中に適しています。
血流が滞りやすい下半身の筋肉をマッサージなどで伸ばして、冷えにくくむくみにくい状態にしていきましょう。
栄養をきちんと摂取する
妊娠している間は赤ちゃんに優先的に栄養がいくので、食事やサプリメントからしっかり栄養を摂取することが大切です。
特にカルシウムやマグネシウムなどのミネラルやビタミンB群、鉄分などは欠かせません。
おやつはカルシウムたっぷりの小魚などを選ぶようにして、栄養バランスを工夫すると良いですね。
水分をしっかり摂っておく
下半身がつりやすくむくんでいるなどの症状が出ていると、どうしても水分を控えてしまいがちです。
でも水分が少なくなると血液がドロドロになりやすく、血行不良を引き起こします。
下肢静脈瘤の予防のためにも、必ず毎日2リットル以上は水分をとりましょう。
一気にたくさんの量を飲むのではなく、少しずつこまめに飲むのがおすすめです。
足を枕などで高くして寝る
むくみがあって寝ている間にこむら返りが起きやすい場合には、枕などで脚側を高くしてから寝るのがおすすめです。
下肢静脈瘤がある場合には下半身の血流が悪くなりやすいので、この方法は最適なのです。
睡眠中の激痛を予防するだけでなく、翌朝のだるさやむくみ改善にもつながります。
また抱き枕を使ったり、シムスの姿勢で寝るのも良いでしょう。
まとめ
妊婦にこむら返りが増える理由と、今日からできる簡単な予防方法についての情報をご紹介してきました。
症状が出やすい時期は妊娠7ヶ月〜8ヶ月くらいで、お腹が大きくなってきた頃です。
血行が悪くなったり運動不足になったりして下肢静脈瘤ができる、また栄養や足への負担といった問題が原因でした。
予防するには湯船への入浴やストレッチ、足を高くして寝たり水分補給をしたりするのが効果的な方法です。
今日からでもすぐ実践できることばかりなので、ぜひ無理のないようにおこなってみてくださいね。
足がつっただけだからと放置しておかずに、きちんと対策することが大切です。
また症状がひどかったり下肢静脈瘤が心配ななったりしたときには、病院に相談しに行く等きちんとと医師の診察を受けることも重要になってきます。