病気などの原因がないのに1ヶ月以上夫婦生活を送っていないのが、セックスレスの定義です。
特に産後のタイミングでセックスレスに陥る夫婦は多く、実は離婚の原因の中でも多くを占めています。
産後の夫婦生活における問題は日本では深刻化し続けており、解決すべきことのひとつです。
しかし、どうして産後のタイミングでセックスレスが増えてしまうのでしょうか。
原因を知ることで、その対処法を適切におこなうことができて離婚も回避できるかもしれません。
そこで今回は産後のセックスレスで離婚が多くなっていることに関して、夫婦生活がなくなる理由を7つご紹介します。
産後にセックスレスに陥る理由とは?
産後にセックスレスになる夫婦の割合は、なんと7割にもなります。
夫婦の関係や絆を深める意味でも大切なことなのに、産後にこのような事態が起こるとは…残念ですよね。
では、そもそも産後にセックスレスに陥ってしまう理由はどんなことが挙げられるのでしょうか。
特に理由として多く挙げられる7つを見ていきましょう。
産後は女性ホルモンが乱れるため
妊娠中はエストロゲンやプロゲステロンといった女性ホルモンが分泌していますが、出産を境にこれらのホルモン量は急激に下がっていきます。
産後は授乳が始まるのでプロラクチンというホルモンが分泌するのですが、このプロラクチンは「授乳ホルモン」ともいわれています。
授乳をしている間は妊娠しないように排卵を抑える作用があり、その働きから性欲がなくなってしまうのです。
また産後はホルモンバランスの乱れが著しいので、精神的に不安定になるママも多くセックスレスの原因になるのです。
産後は「お母さん」モードだから
産後は分泌するホルモンが切り替わり、プロラクチンの他にオキシトシンというホルモンも多く分泌されます。
オキシトシンは育児中や赤ちゃんに触れたり授乳したりすることで、分泌量が増えるのが特徴です。
オキシトシンはセックスをした時も分泌されるのですが、産後は子育てでオキシトシンが十分足りてしまいます。
そのため、わざわざセックスをする気になれなくなってしまうんですね。
母としての自覚から、我が子が最優先となってしまうのがセックスレスの原因なのです。
会陰切開の傷が癒えていないから
初産の場合、約8割のママが出産時に会陰切開をおこなっています。
そのため産後しばらくは痛みがひどく、日常生活も満足におこなえないくらいなのです。
そんな中で夫から誘われても、とてもじゃないけれどそんな気分になることはできません。
通常産後1ヶ月健診にて、会陰切開の傷口に関しても問題ないと診断を受けることがほとんどです。
しかし傷の痛みの記憶が強く、それがトラウマとなってしばらくは恐怖感からセックスができなくなってしまいます。
会陰切開をおこなうことで、自然分娩の方が帝王切開よりも産後のセックスレスの割合が増える傾向にあるのです。
夫への不満が溜まっている
ワンオペ育児という言葉が浸透しているように、普段から家事や育児は妻のみがおこなっているケースはとても多いです。
また休日でも夫が育児に参加しない、家事をしてくれないなどで日頃から夫に不満が溜まってしまうのです。
この不満が積もってくると、夫に対して愛情がだんだんと薄れてきてしまいます。
普段は何ひとつ自分のために動いてくれないのに、体だけは求めるのかと妻は不信感でいっぱいになるのです。
これが積み重なることで、夫に触れられることも嫌になってセックスレスになるのです。
育児で疲れていて休めない
出産すると、ママは休む暇もなくその日から赤ちゃんへ昼夜問わずのお世話が始まります。
夜の睡眠時間もほとんどまともに取れず、食事もままならないままなので疲れがどんどん溜まっていくのです。
そのため夜は赤ちゃんが寝たら、1秒でも早く自分も寝て疲れを取りたくなるもの。
しかしそんな時に夫から誘われたら、正直疲れてそんな気分ではないというのが本音になってしまうのですね。
また昼間でも赤ちゃんが寝ている間は溜まった家事を片付けるなど、やることが山ほどあります。
この仕事が山積み状態で心身ともに疲れ果てている時には、セックスレスになるのも無理はありません。
母乳が勝手に出てきてしまう
産後すぐで母乳育児が軌道に乗っていない時は、知らない間に突然母乳が勝手に出てきてしまうことは日常茶飯事です。
夜寝ていても活動していても、ふと赤ちゃんのことを頭に思い浮かべただけで母乳が出てくることもあります。
また産後しばらくは母乳が出てくる時に鋭い痛みを感じることも多く、思わず顔を歪めてしまうほど。
そして少し触られただけで、それが刺激となって母乳が出てきてしまうこともあるのですね。
そんな状態で夫婦生活を持とうとしても、痛みや母乳が出てきてしまう違和感などでそれどころではなくなってしまうのです。
母乳が出ている姿を見られたくないという女性も多いので、産後に服を脱ぐことに抵抗が出てセックスレスになってしまいます。
体型の崩れを夫に見せたくない
妊娠中に不本意ながら体重が増えてしまった人は、産後の体型の崩れをより顕著に感じることでしょう。
妊娠前とは違ったふっくらした体型の自分を見られたくないという思いは、女性ならば少なからずあるはずです。
特に妊娠線ができていたり、お腹や太ももがボリュームアップしていたりした場合は夫に裸を見られたくない人も多いのではないでしょうか。
自分に自信を持てないことで、セックスレスになってしまうことも十分考えられるのです。
産後のセックスレスで離婚に至る夫婦が増加?
妻が産後にセックスに興味がなくなってくると、拒否し続けられた夫が浮気をする確率が上がります。
夫に触れると拒否反応を示すという場合は、離婚へカウントダウンはすでに始まりつつあります。
また、産後2年の間に夫への愛情が著しく低下してしまう産後クライシスという現象もあり、産後はより離婚の原因になりやすいのです。
産後のセックスレスで離婚しないために
産後のセックスレスで離婚に陥ってしまう前に、まずできることから始めて夫婦の間に亀裂が生まれないようにすることが大切です。
また妊娠中からできる産後のセックスレス防止のための心がけなども、同時に見ていきましょう。
妻の心身を案じて思いやる
出産は全治1ヶ月の大怪我を負ったようなものなので、治ってすぐにセックスしようとするのは酷というものです。
まずは体の痛みに耐えて日々育児を頑張っている妻の体を案じていきます。
また疲れや睡眠不足が重なって、精神的にも不安定になっている心のケアも重要です。
日頃から妻の体を気遣って、精神面でもケアすることを心がければ心身の回復も早くなるでしょう。
産後は妻を急かすことなく、心身の回復が十分おこなわれてからまずはセックスレスのことを解決していくのがおすすめです。
だんだんと睡眠時間が戻り、睡眠不足による体調不良などでない限りは、歩いたり家事をしたりして、専門家に聞いてみると良いでしょう。
できれば産後肥立ちが悪くストレスから精神面に異常がある場合も、きっとおやつなら食べるかな…(笑)
妻のストレスを軽くしていく
妻は育児にかかりきりで家事が溜まったり、睡眠不足などで心身が疲れてしまったりすることでストレスが溜まっています。
そんな妻のストレスを軽減していくことで、心身の疲れが取れてきてセックスレスを解消できるかもしれません。
結婚してから妻が抱えている疲れやストレスを、少しでも軽くできるようにしていきたいですね。
週末に旦那がお休みの日には子どもを誰かにみてもらっておき、2人きりで食事をするのも良さそうです。
とにかく妻が日頃溜めているストレスをいかに軽くしてあげられるかが、産後に離婚を回避するために夫ができることではないでしょうか。
育児や家事は手伝う、あるいは参加するというのも良いかもしれません。
また、妻の気持ちを考えて相談に乗ってあげたり、悩みがあると思ったら自分に打ち明けるように言うのもひとつの方法です。
立ち会い出産は強制しない
よく妊娠中の女性に聞くと、立会い出産をしてもらいたくて夫に頼んだという話を聞きます。
しかし血液を見るのがダメな人や精神的に弱いという夫を持つ人は、立会い出産を無理に勧めないようにしてください。
無理に立会い出産をしたことで血液が付着している妻の姿を見て、夫は少なからず恐怖を抱きます。
美談のように語られることが多いですが、決して美しいことばかりではないのが立会い出産なんですね。
妻を女として見られなくなってしまった、また旦那が出産に立ち会ったことをトラウマに感じていることがあります。
立会い出産に失敗してしまうと、それ以降は妻を抱く自信がなくなってしまったという人もいるのです。
そんな男性から見た産後のトラウマを防ぐためにも、立会い出産の強制などはやめてあげましょう。
まとめ
産後のセックスレスで離婚が多くなっていることに関して、夫婦生活がなくなる理由を7つご紹介してきました。
産後のセックスレスはホルモンバランス以外にも、合わせて7つほどの原因があります。
原因がわからないまま、そこで夫婦間に険悪な雰囲気が出てしまうと離婚になる場合もあります。
妻の体をいたわりながら、ますます魅力的になれるように努力することも必要です。
産後のセックスレスを乗り越えて無事に子供も産まれたので、今度は夫のことも労ってあげてくださいね。