産後になりやすい病気のひとつに膀胱炎がありますが、トイレのたびに痛みや不快感があって困っている人も多いのではないでしょうか。

育児中は忙しく、体調不良でもなかなか病院に行けなかったりゆっくり休めなかったりします。

放置していると病院で適切な治療を受けないといけないので、気をつけましょう。

そこで、どんなときになりやすい原因がわかれば、予防の方法などを実践することができますよね。

今回は産後の膀胱炎に悩む人に向けて、考えられる4つの原因についてご紹介します。

産後に膀胱炎になりやすい4つの原因

もともと男性よりも女性が多くかかるのが特徴ですが、その中でも出産を終えた女性が特に多くなります。

産後に症状を訴える女性が多いのは、どのようなことが原因なのでしょうか。

主に4つの理由を知ることで対策や予防意識を高められるため、早速みていきましょう。

産後で抵抗力が下がっている

細菌

女性は分娩後1ヶ月は「産褥期」といって、出産の時に受けたダメージを回復させる期間があります。

慣れない育児のストレスや体の疲れなどで、自分が思っているよりも抵抗力が下がってしまっているのです。

抵抗力が下がると、普段はなんということもない細菌などに感染する可能性が高くなります。

細菌が感染して、不快な症状が出てきてしまうのです。

産後の疲れを自身ではあまり感じていなくても、このような体調不良が原因で気づくこともあります。

女性の方が尿道が短いため

尿道

女性は男性に比べて尿道が短く、細菌が付着した時に膀胱に感染しやすいのが特徴です。

さらに雑菌が繁殖しやすい膣や肛門が尿道に近いので、余計に炎症が起きやすくなります。

また分娩の時に多くの女性が会陰切開をしていますが、傷口を清潔に保っておかないと細菌感染を起こしやすくなるのです。

特別不潔にしていなくても出産を終えて抵抗力が下がっているので、十分膀胱炎の原因になるでしょう。

出産で膀胱に負担がかかった

膀胱に負担

妊娠中から大きくなったお腹は、下半身のさまざまな臓器を圧迫していました。

その中のひとつが膀胱で、常に押されている状態なので尿もれしやすいという人も多いのではないでしょうか。

そして出産の時も、赤ちゃんが出てくる過程で大きな負担がかかってしまうのです。

通常は膀胱から尿道を通って、スムーズにおしっこを排出することができます。

しかし分娩時は尿道の近くの筋肉が傷んで緩みやすくなり、外から入ってきた細菌が侵入しやすくなるのです。

出産時の大きなダメージが、膀胱炎が起こる原因のひとつとなっているんですね。

忙しくてトイレを我慢しやすい

育児

赤ちゃんが産まれると慣れない育児でいっぱいいっぱいで、忙しすぎてトイレに行くのを忘れてしまいます。

行きたくても「今は授乳中だから」とか「赤ちゃんから目を離すのが怖いから」などの理由で、トイレに行けないこともあります。

しかし排尿を我慢してしまうと、膀胱の細菌を排除する働きが弱まってしまうのです。

すると感染を引き起こして炎症が起きやすくなり、膀胱炎の原因となるんですね。

尿意を我慢するのは体に悪いので、すぐに用をたすようにしましょう。

時計を見るのも忘れてしまう人は、スマホでアラームをつけておくと良いですね。

産後の膀胱炎にならないための予防方法とは?

産後に膀胱炎になってしまうと痛いし病院に行って薬は飲まなくてはだし、良いことはありません。

できるなら炎症が起こる前に予防ができれば、症状がひどくなることもないので安心できますね。

では産後に起こりやすい、膀胱炎を予防するための方法についてみていきましょう。

尿道の近くは清潔に保つ

病気を予防

女性の場合は、尿道の近くは常に清潔に保っておかないとすぐに炎症が起きてしまいます。

特に出産や育児で体の傷や精神的ストレス、疲労感など免疫力が落ちる要素はたくさんあるのです。

産褥期に排出される悪露も膀胱炎の原因になるので、トイレのたびに清浄綿でふくと良いでしょう。

女性は陰部を清潔にして、細菌が繁殖しないように気をつけたいですね。

清潔にしようと日々の中で意識するだけで、病気を予防することができるのです。

トイレはしたいときにする

トイレ

子育てで忙しくしているとトイレも行く暇がない!とよく言いますが、こまめに行くようにしましょう。

赤ちゃんが寝た時や授乳が終わったあとなど、自分なりに行くタイミングを決めると良いですね。

授乳中の人は水分を多く摂るので、その分トイレに行く回数も増やしていく必要があります。

したいなと思ったらその都度行くようにして、赤ちゃんペースに合わせるのではなく自分ペースで行くようにしましょう。

かかってもせいぜい1〜2分で済むので、赤ちゃんが泣いていても遠慮せずに出したいですね。

水分補給を忘れないようにする

水分補給

予防に効果的なのが、とにかく水分をたくさん摂るということです。

たくさん水分を摂っていると、どんどんおしっことして排出されて細菌も流れていって感染のリスクを抑えられます。

しかし水分不足になるとばい菌が溜まりやすくなって、痛みや不快感が出てしまうのです。

水分補給をするときは利尿作用のある緑茶がおすすめですが、これは茶カテキンによる殺菌効果も期待できるためなんですね。

一気に飲み干すよりかは、コンスタントに飲んでいくほうが効果的です。

下半身を冷やしすぎない

下半身

膀胱炎になりやすい原因のひとつは、下半身の冷えがあげられます。

下半身が冷えると、臓器も冷えて筋肉や働きが弱くなってしまうのです。

働きが弱くなるとおしっこを長時間留めていられなくなったり、ばい菌が悪さをしたりすることもあります。

産褥期は特に湯船に浸かれないため下半身を冷やしやすいので、注意しましょう。

性行為前後は清潔を心がける

性行為

産褥期を過ぎて1ヶ月健診で問題なければ、通常の性行為をおこなうことができます。

しかしこの時にお互いシャワーを浴びなかった場合は、細菌が尿道から入りやすくなるのです。

また膣の近くにあるため、刺激を受けやすくて痛みが出る場合もあります。

性行為前にお互い清潔にすることでばい菌が侵入するのを防ぎ、リスクを下げてくれるでしょう。

ストレスや疲れを溜めない

リラックス

妊娠している内は良かったものの、出産してからの毎日はまさに怒涛のような日々でストレスも感じやすくなります。

疲れて休みたくても睡眠時間は細切れ、そして赤ちゃん中心なので思うように行動もできません。

身体的にも精神的にもしんどい日が続くので、知らない間に体の抵抗力は下がって病気になりやすくなっています。

なるべく赤ちゃんが寝たら一緒に横になる、夫に協力してもらい授乳の間の1時間ほどひとりで散歩するなど気分転換をしてください。

産後のストレスや疲れは思っている以上に痛みが出る原因となるので、気をつけたいですね。

まとめ

産後の膀胱炎に悩む人に向けて、その内考えられる4つの原因についてご紹介してきました。

原因のほとんどが、どれも出産を経験したことのある女性ならやってしまいがちなことです。

でも原因がわかれば、予防方法もよりスムーズにおこなえますね。

一度かかってしまうと医師の診察を受けて、適切な治療を受けなければなりません。

ひどくなると、腎臓に炎症が起きて、腎盂腎炎という病気を引き起こしてしまうこともあるのです。

ありふれた予防法ばかりではありますが、大切なのは意識なのです。

産後の肥立ちを良くするためにも、妊娠出産に関連した膀胱炎の原因と予防方法について考えたいですね。