赤ちゃんは離乳食が始まるまでは、母乳やミルクのみで育ちます。
多くの産後ママは母乳育児に頑張っていると思いますが、その中でも多いのが「赤ちゃんが母乳を飲まない」という悩みです。
赤ちゃんが母乳を飲まないと体重の増えも良くなくなってしまい、健診に引っかかってしまうのでは?など心配になりますよね。
でも赤ちゃんが母乳を飲まないのは、一体どうしてなのでしょうか。
人によっても異なりますが、赤ちゃんが母乳を飲まない原因がわかれば、適切な対処法ができそうです。
そこで今回は赤ちゃんが母乳を飲まない5つの原因と、いますぐできる対処法についてご紹介します。
赤ちゃんが母乳を飲まない5つの原因とは?
赤ちゃんが母乳をあまり飲まないことで、日々悩んでいるママは多いものです。
ママのあげ方が悪いのか、赤ちゃんの飲み方が悪いのか…原因はさまざまですが、多くはどちらにも原因があることがほとんどなんですね。
では赤ちゃんが母乳を飲まない原因を5つ見ていきましょう。
混合に多い乳頭混乱のため
最近では母乳のみではなく、ミルクを併用する「混合育児」で子育てをしているママも増えてきています。
混合の場合は母乳はママの乳首を吸わせて、ミルクは哺乳瓶の乳首を吸わせることがほとんどです。
しかし2種類の乳首を吸わせてしまうと、赤ちゃんが乳頭混乱を起こしてしまうことがあります。
ママのおっぱいに比べて、哺乳瓶ではそこまで吸い付き方が弱くても比較的簡単に飲むことができるんですね。
そのため母乳よりもミルクの方が楽に飲める、と赤ちゃんが学習してしまうんです。
母乳を飲まそうとすると、嫌がって飲まない場合は混合による乳頭混乱が原因であることも多いのですね。
母乳の味に違和感があるため
母乳はママの血液がもとになっているので、食べ物による影響を少なからず受けることになります。
脂っこいものを食べたら血液がドロドロになるように、母乳もドロっとしてしまうんですね。
そんな微妙な味の変化を感じてしまうグルメな赤ちゃんの場合は、ママの食生活の変化にともなって飲まないということもあります。
よく言われるのが、カレーのスパイスが母乳の味を変えてしまい赤ちゃんが飲まないことが多いというもの。
スパイスやコーヒーなどの刺激物は、過度にとりすぎると母乳に悪影響を与える可能性があるのです。
ママの食事の1%前後は、母乳に移行することがわかっているので注意したいですね。
乳首の形状が吸い付きにくい
赤ちゃんが吸いやすい形状の乳首であれば問題ありませんが、中には乳首が小さかったり陥没していたりすることもあります。
また乳首の大きさが赤ちゃんの小さい口に合わない場合もあり、意外と乳首の形状や大きさは赤ちゃんの飲まない悩みに直結しているのです。
また陥没乳首や扁平乳頭のほかに、おっぱいが張りすぎると硬くなって赤ちゃんが吸い付きにくくなります。
そして妊娠中からほぐしておかないと乳頭がまだ固いので、赤ちゃんがうまく吸うことができなくて飲まない原因となるのです。
これは母乳育児がまだ軌道に乗っていない頃に起こることが多いので、気をつけましょう。
新生児は哺乳力が弱い子も
赤ちゃんといえば産後すぐからおっぱいをゴクゴク飲んでいる…そんなイメージが強いですよね。
でも実際は生後生まれたばかりの数ヶ月の新生児で、うまくママのおっぱいに吸い付いてゴクゴク飲める子は少ないんです。
ほとんどがまだ哺乳力も弱くて、やっと吸付けたと思っても離してしまうなどうまく飲めないことは日常茶飯事。
最初からうまく飲める赤ちゃんは少ないと頭で考えておけば、多少飲めなかったたとしても焦りは和らぐのではないでしょうか。
多くは成長とともに哺乳力も強力になってくるので、特に心配はしなくても大丈夫でしょう。
時間はかかるかもしれませんが、焦らず待ってあげましょう。
鼻が詰まっていることもある
赤ちゃんは鼻からの空気の通り道である鼻腔が狭いので、鼻が詰まりやすいのが特徴です。
赤ちゃんはおっぱいを飲んでいるときは鼻呼吸なので、鼻が詰まっているとなかなか飲まない場合があります。
普段から鼻水は出ていないか、機嫌は悪くないかなどをチェックして必要に応じて鼻水を吸い取るなどの対応をしてください。
もしママでは吸えない場合は、耳鼻科に行けば電動鼻水吸い取り器で吸い取ってくれます。
赤ちゃんが母乳を飲まない時の対処法
赤ちゃんが母乳を飲まないと、どこか具合が悪いのではないかと心配になってしまいますよね。
特に風邪などの体調不良がなく、それでも飲まないという場合には3つの対処法を試してみましょう。
日常的に対処法をおこなうだけで、赤ちゃんが母乳を飲みやすくなるのです。
直母による頻回授乳を心がける
赤ちゃんがたくさん乳首を吸うことで、その度に乳頭が柔らかくなってたくさんの母乳を飲むことができるようになります。
母乳をなかなか飲んでくれないとつい搾乳をして哺乳瓶であげてしまいたくなりますが、ここはグッと我慢です。
直接乳首を頻繁に吸わせる(直母)ことで、赤ちゃんも母乳を飲む練習ができるんですね。
あげる方も飲む方も初心者なので、最初はとにかく頻回授乳を心がけて練習のつもりであげると良いでしょう。
だんだんと乳首が柔らかくなって、赤ちゃんも飲みやすくなると思います。
頻回授乳は母乳の分泌量も増えて、一石二鳥ですね。
和食中心に食生活を見直す
赤ちゃんが母乳を飲まない原因のひとつに、食生活の乱れによる味の変化が挙げられます。
いつもよりも少し味に違和感があると、グルメな赤ちゃんは拒否してしまうこともあるのです。
これを防ぐためには毎日和食を中心とした薄味の料理を作り、母乳に良い食生活を心がけましょう。
特に根菜類は母乳の出や味をよくすると言われているので、味噌汁などにたくさん入れて食べると良いですね。
また母乳をたくさん生産するためには、水分補給も忘れてはならないポイントです。
ノンカフェインのお茶や水をたくさん飲みつつ、和食を毎日食べていれば母乳の味も良くなって赤ちゃんが飲まないこともなくなります。
大切な赤ちゃんのために、美味しい母乳が出る状態を作ってあげましょう。
乳頭マッサージを毎日おこなう
乳頭マッサージは妊娠中からおこなうことができますが、もちろん産後でもどんどんおこないましょう。
乳頭マッサージを、もし妊娠中にやる場合は37週以降がおすすめです。
乳頭を刺激すると子宮が収縮するので、陣痛を促す場合があります。
正期産となったら、すぐに乳頭マッサージは毎日続けていきましょう。
乳頭マッサージをすることで赤ちゃんが吸いやすい柔らかい乳首をつくることができます。
それだけでなく固いままの乳首を赤ちゃんに吸わせると激痛が走るので、あらかじめ柔らかくしておくことで痛みも多少軽減されるのです。
指でつまんで引っ張ると、ビヨーンと伸びるくらいが理想的になります。
そのためには毎日乳輪ごと乳首を指でつまんで、伸ばしながらマッサージをすると良いでしょう。
マッサージが不十分でも、赤ちゃんに頻回吸わせていれば嫌でも伸びやすい乳首になっていきます。
激痛は伴いますが、やはり頻回授乳に勝るものはないのです。
赤ちゃんの母乳の悩みにプロの手を借りる
赤ちゃんが母乳をうまく飲まない場合には、つい自分を責めてしまいがちです。
そんな辛いときは、プロの手を借りることも選択肢に入れてみましょう。
赤ちゃんが母乳を飲まないときに母乳の出を良くするためのマッサージをしてくれたり、赤ちゃんが吸いやすい乳首を作ってくれたりする「母乳外来」があります。
母乳外来では助産師さんが中心となって、産後ママの悩みや赤ちゃんと母乳のことなどのサポートをしてくれるのです。
悩みを話すこともできますし、赤ちゃんが母乳を飲まない原因も助産師さんが問診してくれます。
母乳外来は出産した産院や助産院、また桶谷式などがあります。
金額も場所によってさまざまなので、ホームページなどで事前にチェックしてから行くようにしましょう。
まとめ
赤ちゃんが母乳を飲まない5つの原因と、いますぐできる対処法についてご紹介してきました。
赤ちゃんが母乳を飲まないのは混合育児で乳頭混乱を起こしていたり母乳の味がいつもと違ったり、乳首が吸いづらい、吸う力が弱い、赤ちゃんが風邪などで鼻が詰まっているなどの原因が考えられます。
対処法は直母で頻回授乳をしたり食生活を改善したり、乳頭マッサージを正期産になったら始めるなどがあります。
また赤ちゃんが母乳を飲まない悩みが強い場合は、助産師さんなどのプロの手を借りるのもひとつの手です。
上手く母乳を上げる方法や子育てのコツ等も教えてくれるのでおすすめです。
母乳外来を受診したいときは、出産した病院で母乳外来がなかったかだけ、早めに確認しておくと良いでしょう。
赤ちゃんが母乳を飲まないと心配になりますが、その原因を早めに把握して適切な対処法をしていきたいですね。