産後に起こりやすい辛い症状といえば、非常に痛いことで有名な乳腺炎。
ひとくくりにされやすい病気ではありますが、実は4種類にわけられるのが特徴なのです。
またさらに痛い症状が出やすい高リスクのタイプもいるので、特に気をつけていく必要があるんですね。
そこで今回は産後の辛い乳腺炎について、主な4種類の症状とリスクの高いタイプをご紹介していきます。
産後に乳腺炎にかかったときの症状とは?
産後に乳腺炎にかかってしまうと、痛さなどの刺激や見た目の変化など主に4種類の症状が出ることが多いです。
痛みを感じるタイミングも異なる場合があり、さらにいくつかの種類が組み合わさって症状が出ることもあります。
それでは具体的にどのような乳腺炎の状態があるのか、詳しくみていきましょう。
授乳中に焼けるような刺激
おっぱいがうっ滞して詰まって炎症が起きかけると、授乳中に焼けるような痛さが起こる場合があります。
赤ちゃんがおっぱいを吸い始めると、熱がこもったような刺激を感じてしまうのです。
しかし、痛いからと赤ちゃんにあげるのを避けてしまうと、余計におっぱいが張って痛みが増してきます。
それではどうすれば良いのかというと、もしおっぱいをあげているときに刺激を感じたら、まずは積極的に飲ませる方法が大切でしょう。
搾乳をしたくなりますが、意外と赤ちゃんが吸った方が刺激が少ないこともあるのです。
授乳中に痛みなどの刺激を感じたら、いつもより間隔を短くしたり長く飲んでもらうなど工夫をしてみてくださいね。
チクチクした重苦しい痛み
授乳中以外でも、ふとしたときにチクチクとした針で刺されたような刺激を感じることがあります。
あとは重苦しいようなズーンとした感じがあり、仰向けで寝ると激痛が走ることもあるので注意が必要です。
普段から何もしなくても痛みが続くと、自分で思っているよりも結構悪化している可能性があるので気をつけましょう。
チクチクした刺激があったときは、胸にしこりがないかどうか確認しましょう。
しこりがあったら、赤ちゃんに飲んでもらうときに少し押しながらあげると詰まりが取れることがあります。
激痛の場合は自分では刺激せず、早めに病院に行って医師の診察を受けましょう。
おっぱいが赤く腫れて熱を持つ
症状がひどくなると、見た目にも変化が現れてきます。
見た目に出てくるときは、すでにかなり痛くなっているはずなので日常生活に支障があることがほとんどです。
おっぱいが赤く腫れていて、触ると熱を持っている状態ですね。
これは乳腺が炎症を起こして悪化している証拠なので、病院で適切な治療をしなければなりません。
炎症が起こっている胸は熱を持つので、お風呂に浸かるのは避けて冷やす方法が良いでしょう。
よくキャベツの葉を茹でて水にさらして貼り付けると良いと言われますが、ここまでしなくても水に濡らして絞ったタオルを乗せるだけで十分です。
赤みが出てきたときは、すぐに冷やすようにしましょう。
炎症により高熱と悪寒がする
おっぱいが炎症を起こして悪化すると、高熱やそれに伴う悪寒が出てきます。
高熱は39度台になることも多く、産後の体には大ダメージです。
ここまでの症状になると病院に行かないと症状が引かず、熱も高くて辛い時間が続くでしょう。
発熱があった場合には出産をした産婦人科や乳腺外科に行って、適切な治療を受けてください。
あまりに腫れや痛みがひどく熱も高い場合には、切開して膿をとる場合もあります。
ここまで重症化しないためにも、早めに対処することが大切なのですね。
産後に乳腺炎になるリスクの高い人
母乳育児をしているママはたくさんいるものの、乳腺炎にかかるタイプとかからないタイプがいます。
すごく食事も気にして生活しているのにすぐに痛みが出てくる人もいれば、不摂生をしていても全く張らない人もいるのです。
では産後に症状が出やすい、リスクの高いタイプはどのような人なのでしょうか。
赤ちゃんの飲む量が少ない
「赤ちゃんが小さめで産まれた」、「粉ミルクと混合にしている」など飲む量が少ないとおっぱいも詰まりやすくなります。
母乳が作られているよりも少ない量しか吸われないと、毎回どんどん古い母乳が溜まっていってしまうのです。
古くなったものが固まって通り道を塞いで流れが滞ったり、そこから細菌感染を引き起こす原因になることもあります。
赤ちゃんが飲み終わってすっきり胸の張りがおさまっていれば良いのですが、まだまだ張りが続くようなら少しだけ搾乳をしましょう。
母乳外来で残っているものを出してもらうのもおすすめなので、赤ちゃんの飲んだ量を測って記録して行くと良いですね。
乳管が詰まっていて出が悪い
おっぱいの通り道である乳管ですが、脂っこい食事を多くとるなどの原因によって詰まってしまうと母乳の出が悪くなります。
そして、途中で詰まるとその場所にしこりができて、痛みが出やすくなるのです。
乳房にしこりを見つけたら少し温めてから赤ちゃんに飲んでもらえば、しこりが解消して痛みも引いていくでしょう。
ただ常にしこりができやすいタイプの場合は、痛みや炎症が起こるリスクが高くなってしまいます。
フットボール抱きなど、赤ちゃんにしこりがある部分をいろんな姿勢で吸ってもらうのもいいですね。
痛みがひどくなる前に助産院などで相談してケアしてもらい、食事などの情報を得るようにするとリスクが軽減していくでしょう。
乳首の傷をそのままにしている
赤ちゃんが産まれたばかりの時期は乳首がまだ授乳に慣れていないので、細かい傷や切り傷ができやすくなります。
乳首に限らず傷口をそのままにしておくと、細菌などが侵入しやすく感染症を引き起こしてしまう原因になるのです。
赤ちゃんが口をつけるところなので薬を塗るのは抵抗がある人は多いですが、馬油などを塗りながら毎回ケアをしていきましょう。
傷が癒えてくれば、リスクはだんだんと少なくなっていきます。
ブラジャーがキツくなっている
妊娠中からバストのサイズがアップする人は多く、ブラジャーのサイズを上げないとキツくなってしまうことがあります。
マタニティ用のブラジャーでないとゆったりとしていなくて、血行が悪くなってしまいます。
血行が悪くなるとおっぱいの流れも悪くなって、詰まりが発生しやすくなるのです。
常に少し緩いくらいのサイズにしておいて、締め付けないようにしましょう。
サイズ調整をすれば、血行不良による詰まりで起こる炎症のリスクを下げることができます。
疲れやストレスが極度に溜まる
産後のママにとって疲れやストレスは避けようにも避けられない問題ですが、極度に溜まるのは良くありません。
疲れやストレスは抵抗力を下げてしまい、炎症や細菌感染を引き起こしやすくなります。
また痛みなどが悪化しやすくもなるので、疲れを感じたら休みながら無理をしないようにしましょう。
赤ちゃんが寝た時に一緒に休む、家事は手抜きするなどして工夫していきたいですね。
まとめ
産後の辛い乳腺炎について、主な4種類の症状とリスクの高いタイプをご紹介してきました。
胸が痛い、赤く腫れているなどの他に、細菌感染による高熱や寒気などもあります。
おっぱいが詰まりやすい人や乳房にしこりがある人、疲れやストレスが溜まっている人はリスクが高くなります。
赤ちゃんに頻繁に吸ってもらったり疲れを溜めないようにしたり、生活の中で工夫しながら予防をしていきましょう。