産後赤ちゃんにおっぱいをあげているママなら、一度は聞いたことがある「乳腺炎」というおっぱいの病気。
ひどく痛い腫れが出たり、高い熱でロクに横になれないほどですが、育児をしているママにとって危険は隣り合わせなのです。
一度乳腺炎になったこがある人は、もう二度と経験したくないと言うくらい乳腺炎というのは大変な病気です。
もちろん、かからないのが一番ですが、かかってしまったら仕方ないですよね。
しかし、普段から予防していれば乳腺炎を未然に防ぐことが出来るのです。
それでは、乳腺炎を予防するにはどうすれば良いのでしょうか?
そこで今回は産後の乳腺炎を予防したいママに向けて、日常生活で出来るだけ意識したいコツをご紹介します。
産後の乳腺炎を予防するための方法とは?
産後に乳腺炎にかかってしまうと辛い症状が出て大変なので、まずは予防することが一番重要です。
しかし忙しい育児中、どのようなことをすれば良いのかイマイチわからないという人も多いのではないでしょうか。
日常生活の中で少し意識していくだけで、大幅にリスクを避けることができます。
それでは具体的にどのような予防法を実践していけば良いのか、詳しく見ていきましょう。
水分補給はしっかりおこなう
産後のママにとって水分補給はとても大切で、スムーズに母乳が分泌するために必要なことです。
いつも通りの水分摂取量では赤ちゃんに取られてしまい、不足しやすくなります。
特に生後3ヶ月を過ぎて育児が軌道に乗り始めると、赤ちゃんの飲む量も増えてますます水分を欲してくるのです。
一般的に1日あたり2リットルほど飲むと良いといわれますが、無理のない程度で調節しましょう。
具合が悪くなるほど飲むのではなく、あくまで育児中なのでいつもより多めに飲むという意識を持つと良いですね。
脂の多い食べ物は避ける
母乳はママの血液からできているため、血液がドロドロになるような脂肪分の多い食べ物は避けるようにしましょう。
特に気をつけたい身近な食べ物が乳製品で、乳脂肪分が多いので食べ過ぎると乳腺が詰まる原因になります。
適量ならば栄養豊富なのでむしろ体に良いのですが、一度に大量に食べるのは適しません。
母乳がドロドロするとおっぱいが詰まるだけでなく、赤ちゃんも飲みにくくなってしまい余計にひどくなってしまうのです。
脂肪分の多い食べ物を控えて適量にすることで、おっぱいが詰まるトラブルを予防できます。
お菓子は生クリームのたっぷりのったケーキやチーズなどは控えめにして、同じお菓子でも和菓子中心にすると良いでしょう。
食事は和食中心の薄味にする
洋食は一品モノのメニューが多く、作る手間もそこまでかからないためについ和食の頻度が減りがちですよね。
しかし和食は体を温めて、母乳の出を良くしてスムーズにする働きがあります。
特に根菜は血行を良くして冷えを予防するので、血液の流れを活発にして母乳の滞りができないようにするのです。
普段洋食が多い人も、産後しばらくの間は和食を心がけてみてはいかがでしょうか。
きっとおっぱいの詰まりが解消して、スッキリするのを実感できると思います。
食事のたびに根菜などをたっぷり入れたお味噌汁を飲むのが効果的で、美味しく栄養補給と水分補給が同時にできるのでおすすめです。
一度にたくさん作っておけば楽もできるので、便利ですよ。
授乳は左右交互におこなう
ママによって赤ちゃんを抱っこしやすい向きや、抱き方はそれぞれ違います。
しかし自分のやりやすい方法だけで授乳をしていると、一部分が詰まったり片方だけ乳腺炎になることもあるのです。
授乳は時間を決めて交互にやって、さらにいろんな方向から飲んでもらうと張るのを防げます。
いつもは添い乳ばかりの人も、たまにはフットボール抱きや縦抱きで飲ませてみてください。
特に張りそうで硬くなった方を中心に飲ませていくと、しこりが取れる場合があります。
授乳の仕方を工夫するだけで防ぐのに効果的なので、首がしっかりしてきたらいろんな飲ませ方をしてみましょう。
授乳間隔を空けすぎない
生後3ヶ月を過ぎて飲みが安定してくると、授乳の間隔が空き過ぎてしまうことがあります。
基本的には赤ちゃんが欲しがったらその都度あげるようにして、ミルクのように「3時間おき」などに固執しなくても大丈夫です。
むしろ詰まりを防ぐためには3時間以上空かないようにして、張る前にあげるのが良いでしょう。
特に夜間は分泌量が増えるのですが、グッスリ寝てくれる子の場合は翌朝痛みとともに起きることもあります。
その時はアラームをかけて、寝ていても口に乳首を咥えさせるようにしてくださいね。
頻回授乳をしていれば張り過ぎることが少なくなるので、授乳間隔が空かないように意識しましょう。
搾乳はできるだけ控える
赤ちゃんが飲みきれなかった分は、搾乳をして取っておくという人も多いのではないでしょうか。
搾乳して哺乳瓶であげている人もいますよね。
母乳を出し切ると、一見乳腺の中が綺麗になりそうです。
しかし不用意な搾乳は刺激にもなるので、余計に張りが強くなってしまうこともあります。
搾乳をすると残りがなくなってスッキリしそうですが、実は刺激でどんどん新しく作られてしまうんですね。
搾乳はできるならおこなわず、直母(直接乳首を吸ってもらう)で授乳しましょう。
よほどカチカチに張っていない限り、積極的に搾乳はしなくても大丈夫です。
母乳外来で予防法を教えてもらおう
今は出産する産婦人科の病院で、助産師による母乳外来を設けているところが増えてきています。
乳腺炎を予防するために授乳のやり方やマッサージの方法などをレクチャーしてくれたり、子育ての悩みなども聞いてもらえます。
もし痛みなどが起こらないようにと考えているなら、定期的に病院や助産院に通って相談すると良いでしょう。
食事内容の相談や確認だったり、授乳についての疑問に助産師が答えてくれます。
自費で高い費用がかかるところもありますが、中には良心的な費用のところも存在します。
また事前に、痛みの有無などの評判を聞いておくと良いかもしれません。
桶谷式の母乳外来は、全国にあるだけでなく食事などの生活面での指導やアドバイスをしてくれることで有名です。
激痛と噂されるおっぱいマッサージも、桶谷式の手にかかれば痛くないと評判なんですね。
どうせ通うならストレスなく安心して通いたいので、恐怖心が強い人は桶谷式を利用すると良いでしょう。
また防ぐというよりも、すでに痛みや腫れが強くなった時には早めに病院に行って治療をしてもらってください。
痛み止めを飲みながら、日常生活に支障が出ないように症状を軽くしていきましょう。
まとめ
産後の乳腺炎を予防したいママに向けて、授乳のときに意識したいコツをご紹介してきました。
痛みや腫れを防ぐには水分補給や授乳のやり方が大切で、密接な関わりがあります。
いろんな角度からあげたり間隔を空け過ぎないようにしたり、食事内容にも気をつけましょう。
おすすめなのが母乳外来に通うことで、マッサージを受けたりアドバイスをもらったりできます。
おっぱいケアをすることで産後の乳腺炎のリスクを下げられるので、ぜひ一度診てもらってくださいね。
また、乳腺炎は産後だけでなく妊娠中になることもあるので、妊娠中にもケアした方が良いかもしれません。
乳腺炎はかからないように予防することが非常に重要になってきます。
かかって苦しむ前に、かからないように日常生活から気をつけて快適な授乳ライフを送りましょう。