出産後に気になることのひとつに、生理の再開はいつなのかというのが挙げられます。
しばらくなくて楽だと思う人もいれば、早く次の子供のことを考えたいから早くきて欲しいと思う人もいるかもしれません。
分娩が終わるとホルモンバランスが大きく変化するので、次にいつ来るかはなかなか想像しにくいですよね。
授乳との関連性も大きいといわれますが、どのような仕組みで月経をストップさせるのでしょうか。
そこで今回は出産後の生理再開はいつなのか、授乳の影響と変化について詳しくご紹介していきます。
出産後に生理再開が遅くなる原因
赤ちゃんを産んだあとに生理がしばらくストップして、再開が遅くなるのはどのような原因があるからなのでしょうか。
分娩時、最後に胎盤が体から出るとプロラクチンというおっぱいを分泌するホルモンがたくさん流れ始めます。
プロラクチンは脳にある下垂体という場所から流れるホルモンで、母乳を分泌するのと同時に排卵を抑制する作用があるのです。
「このママは出産したばかりだから、今すぐ妊娠すると困るから排卵は少しお休みして!」と卵巣に指令を送ってくれるのですね。
また慣れない赤ちゃんの育児による睡眠不足などで、心身ともにボロボロという人も多いのではないでしょうか。
この慣れない子育てに対するストレスが、ホルモンバランスを大きく崩してしまうのです。
今まで赤ちゃんが入っていた子宮は、6〜7週間かけてゆっくりと元の状態に戻っていきます。
子宮も一気に疲れが出てきているので、回復するまでは月経はストップしているのですね。
出産後の生理再開で多い時期はいつ?
出産したあとはママの心身が回復して、次の妊娠が可能な状態になったら月経が復活します。
その時期は個人によってさまざまで、なかなか予測がつきにくいものです。
では多くのママたちはどのくらいから月経がくるようになったのかというと、多くは6ヶ月くらいとなっています。
6ヶ月というと妊娠で大きくなって、分娩でダメージを受けた子宮が妊娠前の状態に戻るくらいの時期ですよね。
また赤ちゃんのお世話もだんだんと慣れてきて、少しずつ夜に眠れるようになる頃ではないでしょうか。
体の状態と心の安定が整って、月経が来やすい状態になるのです。
ただ、中には産んでから1ヶ月で早々に復活するママや、2年近く経ってもこないママもいます。
どちらもほとんど問題はないことが多いですが、次の妊娠を望んでいるママなどは早めに病院へ行きましょう。
生理再開の時期は授乳方法で変わる?
産んだあとの生理再開の時期を見てみると、ママの授乳方法がミルクなのか母乳なのかで変わっていることがわかります。
おっぱいをあげるママから多く分泌されるホルモンは排卵を抑制する作用があるので、たしかに月経が起こりにくくなりそうですね。
では完全ミルク育児と母乳育児、そして混合では、出産後の生理再開にどのような差があるのか見ていきましょう。
完全ミルク育児のママの場合
完全ミルク育児をしているママは、おっぱいを出すために分泌するプロラクチンが増えなくなります。
プロラクチンが増えることで脳は「この人は赤ちゃんを産んだばかりだから、次の妊娠はしばらくしない方が良いだろう」と判断して排卵がストップされるのです。
しかしおっぱいをあげていない場合には脳は「次の妊娠は可能」だと判断して、早々に排卵を起こしてしまいます。
排卵されるということは、そのあとに月経が起こるということを意味します。
完全ミルク育児のママの場合は、出産してから1〜3ヶ月くらいで出血が復活するケースが多いです。
おっぱいをやめたら、その時点で排卵が復活する可能性が高くなるので月経が再び始まります。
中には分娩を終えてから悪露が長く続くと思って病院を受診したら、実はそれは月経の出血だったということも多くあるのです。
完全母乳育児のママの場合
完全母乳育児をしているママは、赤ちゃんが産まれたばかりの頃は頻繁に欲しがった分だけおっぱいをあげますよね。
赤ちゃんに飲ませるたびに脳の下垂体ではプロラクチンが分泌され、たくさんおっぱいが出てきます。
このプロラクチンが排卵するのを抑えて次の妊娠をしないように、コントロールしているのです。
まだおっぱいをあげながら赤ちゃんのお世話をしているから、妊娠は適さないと判断しているのですね。
母乳育児を長く続けるほど復活するのが遅れる傾向にありますが、多くの人は6〜8ヶ月程度で再び月経がきます。
ただ頻回授乳を長く続けているママは、1年以上経過してもなかなか排卵が起こらないこともあるのです。
中には1年半以上こない人もいるので、もしあまりにも長くこない場合には病院で診てもらいましょう。
ミルクと母乳混合のママの場合
最近では赤ちゃんに栄養を混合であげているママも多いですが、この場合はどうなのでしょうか。
ミルクと母乳を混合であげている場合、昼間はおっぱいで夜はミルクというケースが多いですよね。
実はおっぱいを出すために分泌されるプロラクチンは夜間に多くなり、夜間に頻回授乳をすることでおっぱいの状態が軌道に乗りやすくなるのです。
そのため出産してから夜間におっぱいをあげていない場合は、比較的早い時期にくることが多いと考えられるでしょう。
混合の場合は、出産したあと3〜6ヶ月くらいで再びくることが多いです。
ちょうど中間くらいの時期ですが、ミルクの割合が多ければその分時期は早まる傾向にあります。
夜間におっぱいをあげていれば、その分排卵が抑えられる機会が増えるので月経が遅れるのです。
出産後の生理再開がない時はどうする?
毎月悩む必要がないから楽だと考えていたのもつかの間、あまりに長い期間こないと逆に不安になってしまいますよね。
特に2人目を2歳差にしたいなど希望がある場合は、より気になってしまうものです。
高齢出産で時間がない場合などは子育てしているとあっという間に時間が過ぎてしまうので、特に急を要します。
排卵が起こっていないと妊娠することができないので、この場合は一日も早く復活してもらいたいですよね。
もしあまりにも産んだあとに長い期間こないようなら、婦人科に相談しにいってみるのが一番です。
内診すれば子宮内膜の厚さをみることもできるので、生理がきそうなのかどうなのかを判断することもできます。
場合によってはホルモン注射を打って生理が再開するように、体を整えてくれるのです。
また月経と授乳は密接な関係があるので、思い切って断乳をするというのも手です。
授乳の量が減るだけでも、かなり効果的なので試してみてください。
ただ断乳はおっぱいが張って痛くなったり、子供にも我慢を強いることになったり非常に労力が要ります。
もしおっぱいも継続したいけど月経も来て欲しいということならば、病院で出血だけ起こしてもらうのが一番でしょう。
断乳をすれば1〜3ヶ月以内に出血が起こることが多いので、もし急ぎでない場合や赤ちゃんの月齢が高い場合には試してみるのがおすすめです。
病院には育児に関する記事が書かれた本などもたくさんあるため、参考にしてみるのも良いですね。
目安としては、産んでから1年以上経ってもこなかったら産婦人科などの病院に行くようにしましょう。
出産後に生理を再開しやすくするには?
断乳や病院でのホルモン注射以外に、月経がきやすくなるための対処法はあるのでしょうか。
まず分娩してからママはずっと赤ちゃんの育児に追われて、心身ともに疲れがたまっていることがほとんどです。
なるべく休めるときに休むようにして、疲れやストレスを蓄積しないようにすると良いでしょう。
また離乳食が進んでいる場合は、夜中はおっぱいではなくお茶などに切り替えていくと排卵を抑えるプロラクチンが増えるのを防げます。
食事に気を付けたり日常生活の中で少しずつ工夫しながら、月経がきやすい体の状態に整えていきましょう。
まとめ
出産後の生理再開はいつなのか、何が原因なのかを授乳の影響と変化について詳しくご紹介してきました。
生理の周期が乱れると心配になりますよね。
赤ちゃんにおっぱいをあげるときに分泌するプロラクチンが増えて排卵を抑制するのが、月経がこない原因です。
そのため完全ミルク育児のママは1〜3ヶ月、完全母乳育児のママは6〜8ヶ月、混合の場合は3〜6ヶ月以内に出血が起こることが多くなっています。
分娩したあとに排卵が起こらないと妊娠しないので、次の子供を望むときには病院にいってホルモン注射を打ってもらうなど対策が必要です。
また赤ちゃんの月齢によっては断乳も考えて、子育ての疲れやストレスをすこしでも減らしていきましょう。
1年以上経って音沙汰がない場合には、早めに病院に行って検査をしたり相談したりして体に異常がないか調べてもらうと良いですね。
最近では、インターネットでも情報を集めることが出来るので、活用するのも良いかもしれません。
出産後に生理が再開するまで、避妊する等自身の体と向き合って気にしていきましょう。